● ロンドン・パリ・香港9日間 ●

生まれて初めての海外旅行が、コレだった。
仲良し3人組(以降海外は全てこのメンツ)で、
暮れの12月27日から、年明け1月4日までの9日間。
一番料金が高い時期だったけど、ビンボーな私達は、検討の末激安ツアーに参加。
当然添乗員ナシ、乗り換え2回、
しかもいまどき南回りと言う、超初心者にとって信じられない内容。
帰りは香港から日本への便が取れなくて、香港で1泊。しかも超高級ホテル!
当初予定に無かった香港での夜を満喫。これはラッキーだった。

● チケット紛失事件 ●
最初の乗り換えは香港。
時間まで免税店をブラブラして、いざ搭乗口迄来た時。
「無い・・・。」友達が小さくつぶやく。
「えっ?!何がぁ~?」「チケット。」
ガラガラガラーッ!あっさり脳みそ崩壊。
必死に今来た所を戻って捜すがどこにも無いッ。
「どうしよう?!」頼りになる添乗員もいない。
カタコトの英会話なら自信があったはずなのにぃ~、
既に脳が崩壊した後では、言葉が出てこない。
出発の時間が迫る!
搭乗口で係員に必死で訴えるが、素っ気ない態度。
しかもチケットを持っていた私ともうひとりのコは、中に入れられてしまった。
ひとり残されたコは、覚悟をきめたらしく、
「私のことはいいから、楽しんで来て。」とか言ってる。
って、そんな訳に行かんだろうがーッ!!!
そのコの荷物は?どうやって帰るの?
頭の中が「?」マークで爆発しそうになった時、
そのコが急に思い付いたように、バッグから何かを取り出した。
確認を取る係員。
と、次の瞬間、そのコが中に通されたーッ!
「何故?」また頭の中に「?」マークが大発生。
とにかく時間が無いので、飛行機までのバスに乗り込んだ。
そして、タラップを駆け登って、席に着き、シートベルトを締めた途端、離陸!
まさに危機一髪だーッ!飛行機は私達待ちだったのか?!
やっと落ち着いた頃、そのコに乗れた訳を聞いた。
どうやら、チケットの綴りの控えを旅行会社から貰っていた事を思い出し、それを見せたらしい。
もう出だしからこれじゃ、先が思いやられるよなぁ~ッ。

● 機内食事件 ●
香港でルフトハンザ機に乗り換え、フランクフルト迄GO。
南回り故、乗ってる時間も長い上に、行っても行っても夜!
さすがに寝るのにも飽きて、ガサゴソと動いていたら、
スッチーが、「お腹空いたの?」と聞いて来た。
どうやらものすごく若く、と言うより、お子ちゃまに見られたらしく、
その対応はまさに「ぐずる幼な子をなだめる」かの様(苦笑)。
典型的日本人の私ともうひとりのコは、意味も無く愛想を振りまき、
「YES!」と答える。
すると、機内食が2人分運ばれてきた。さっそくパクつく私達。
席の関係で、1人で少し離れて座っていたコは、
寝ていたら、いい匂いがして来たので、食事の時間だと思い、
イスを起こし、テーブルも出して待っていたらしい。
し、しかし・・・何時まで経っても出て来ない。
周りの人もキョロキョロし出した。
1時間位経って、ようやく食事の時間が来た。
私達はさっき食べたし、みんなより少し早めの食事だったんだ、と思っていた。
でもふと見ると、みんなに出されているのはさっきとは違うメニューっぽい。
「えっ~?!」と思った瞬間、私達の目の前にも食事が!「う、嘘~ッ。」
周りからの刺すような視線を浴びつつ、また食べ始める私達・・・。
ウプッ、もう満腹だよ~ッ。
何故、私達だけ1食多かったのか、そんなにヒモジそうに見えたのか(泣)。

● エッフェル塔消失事件 ●
何とかロンドンでの滞在を終えて、パリに移動。
大晦日の華やかな雰囲気に浸りつつ、新年を迎えた。
ニューイヤーズ・デイのこの日、メトロを乗り継いでの、キンチョーの自由行動。
モンマルトルのサクレクール寺院のミサに心洗われ、次の目的地エッフェル塔に。
でも駅から出ても、どこにも見当たらない。
あれだけ高いんだもの、見えないはずないよなぁ、と思いつつ進んでいくと・・・。
ナ、ナント、エッフェル塔の上半分が無ーいッ!!!
確かにこの日は刺すような寒さで、もやっていた。
が、エッフェル塔の姿を隠してしまう程とは~ッ!
それでも記念にと、私達はとりあえず展望台までエレベーターで昇ってみた。
が、当然真っ白で何にも見えやしない。
ウ~ッ、ココまで来て何てことだー。悲し過ぎるぅぅぅ。
でも、ハタと周りを見回すと、私達以外誰もいないッ!
そりゃそうだろう、こんな日に昇って来るヤツなんかいないよ、普通・・・。
と、言う事は「貸切り」か?!
凄いぞ、凄いぞ!ヘヘン、どうだッ!えばってみても虚しいだけ(泣)・・・。

● 「魔の手」が迫る事件 ●
小腹の空いた私達は、ホテルの近くのピザ屋へ。
主人がイタリア人で、愛嬌もよく、すっかり楽しんだ。
そしてお堅い店には入れない私達は、次の日も行ってしまった。
更に気を良くする主人。
すると、突然「俺がいい店、案内してやるよ。」と言い出し、私達を連れ出した。
中でも、1番小柄で、「おやじキラー」の異名を取るコは、
すっかり気に入られ、抱きすくめられ、ほっぺにチューまでされる始末。
訳がわからないまま、グングン歩く主人の後を付いて行く私達。
大通りからちょっと入った所で、「この先だ。」と言う主人。
でも、ココって私達が昨日来たスーパーだし、しかも今日は定休日。
辺りに人の気配も無い。
誰からとも無く「やばいよぉ~ッ。」「逃げよう!」の声が。
「時間が無いので帰るッ!」
勇気を出して言った私に、主人は一瞬納得いかない顔。
でも、諦めたのかあっさり、「じゃ、バイバイ。」と帰って行った。
ポツリと残された私達は、あまりの態度の変わり様に、ボーゼン。
やっぱ、何か「良からぬ事」を企んでいたのか?
それにしても、危機一髪だったぞ!
愛想を振りまく悪い癖は直しましょうネ!


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